Powered By Blogger

Translate

Translate

2021年12月28日火曜日

四郎治近道歩道 12月23日

四郎治林道の岩盤をL字型に削った美しい道

22日に保田に泊った事もあり、歩いていない四郎治近道歩道と山椒沢歩道を歩こうと思い伺って来ました。


小仁田大橋手前に車を停めて着替えて出発します。この先にも1軒民家があり林道は続いているのですが、橋の向こう側は20cm程、土が溜まっており、その先も落ち枝や落石があり、道が荒れているのです。
民家には犬が2匹つながれており、吠えたてます。
未成の加勢林道を過ぎて林道終点をV字に戻る形で登り上げて、小仁田歩道へ入ります。経験済なので迷う事もありません。


小仁田歩道へ降り立った所です。ピンクテープもあり左から降りたのです。右に道の銘板もあります。これはプラスチックで劣化しなくて良いですね。


入って直ぐに猪の掘り返しが凄い。10数m続きます。


自然林で見通しの良い、気持ちの良い道が続きます。


切通しの所の大木が、この道の古さを物語ります。


L字型に削った岩盤の苔が美しい。夏の方が青々としてきれいでしたね。


加勢歩道に合流します。右に行くと加勢ですが、左にトンネルをくぐって四郎治近道歩道へ向かいます。


四郎治近道歩道に着きました、降りて行きます。小仁田歩道、加勢歩道は木材搬出の道でしたので水平に造られていますが、四郎治近道歩道は人道ですので、また四郎治沢へ下って行くのでどんどん降って行きます。
やがて杉造林の所で道はなくなります。
左側の方へ降って行きますが、細くて深い沢となり登り返します。広い斜面を右にジグを切って降って行きますと四郎治沢が見えました。


降りた所です。四郎治沢はU字峡谷ですので昇り降りできる所は極めて限られます。


沢の中の枝に5cmの古いピンクテープがあります。ネットで1件だけ10数年前に四郎治近道歩道へ降りた記録がありました。ここの様です。


反対側の急斜面を倒木につかまりながら登り上げます。岩盤が15cm幅で階段状に削られている所もあります。しかし、ここで道は完全に消滅します。
行きやすい左側へ向かい、ヤマップを見ながら稜線へ登り上げます。稜線下に四郎治林道があるはずです。

崖を木の根を掴みながら支稜線へ登り上げます。1m無い痩せ尾根で両側とも絶壁に近く落ちるとアウトです。支稜線を進むしか選択肢はありません。
常時GPSを確認しながら進みます。


唐突に道に出ました、ピンクテープもあります。
右へ行くと橋の沢林道ですが、四郎治林道にも四郎治近道歩道の銘板があったので、確認に左に進みます。


そして、「あっ」っと思います。見覚えのある湯ヶ滝歩道のセンサーカメラの設置標識です。
四郎治歩道とばかり思っていたのに、湯ヶ滝歩道だったのです。これは後から事由が解るのですが。
この標識が無ければ湯ヶ滝へ降っていたと思います。湯ヶ滝歩道も道が途中で消えてる所があり最初は彷徨いましたねー。


湯ヶ滝歩道を戻って四郎治林道へ出ました、銘板もあります。先の方を見ますとトンネルです。そう、四郎治林道はトンネルをくぐって右に進んでいるのです。
私はその上の稜線を進んでいって湯ヶ滝歩道へ出たのです。

四郎治林道を橋の沢林道へ向けて進みます。トンネル手前に山椒沢分岐点がありましたが、今日はもうその気分ではありません。


トンネルをくぐって崩壊地を越えます。通過してから振り返った写真です。夏は藪がびっしりで稜線へ逃げたのですが、今回はすんなり通過できました。
ここは釣り針の様に返しがついた植物があり、衣服に突き刺さって外すのに難儀します。
崩壊地を過ぎると直ぐに橋の沢林道が見えます。


橋の沢林道へ入って150mでV字型に加勢歩道となります。標識等は一切ありません。ここを上がって行くのです。


加勢歩道に入ってから、しばらく岩盤をL字型に削ったきれいな道が続きます。


両側が切れ落ちた崖の所に、樅の大木が続きます。


そこを過ぎると何十mもの崩壊地です。高巻きします。

加勢歩道から小仁田歩道へ向かい、来た道を車に戻りました。四郎治近道歩道を沢に降りてからの、登り上げはきつかったですねー。


ヤマップのログです。赤は私が書き込みました。





 

2021年12月24日金曜日

鋸山第2アドベンチャーコース 12月22日

切通しの奥の逆階段状に掘った石切り場

最後の懸案でした鋸山第2アドベンチャーコースの情報が入り、伺って来ました。最高に面白かった。
先入観で第1アドベンチャーコースの先の方とばかり思っていましたら、何と1番手前のロープウエイ駐車場からでした。

ロープウエイ第2駐車場に車を停めて、奥の崖の右手から入ります。入り口に目印はありませんが、入ってしばらくするとピンクテープがあり、その後はテープがずっと続きます。基本、ロープウエイの下を進むことになります。
石垣や人工的に平らな所もあって、飽きる事無く進んで行きます。


やや急な斜面となり登って行きます。

振り返ると快晴で、手前に金谷港、反対側に横須賀が見えます。ベタ凪ぎですので漁船もたくさん出ています。


急斜面にはロープもあります。ロープウエイ終点手前で石切り場となります。
これが稜線に沿って長大に続いて行きます。


石切り場手前の切通し。フレームに納まりきらないスケール。

コンプライアンス皆無。全て逆階段状に掘り進んであります。


ほとんどに石切り場手前に切り通しがあります。切り通し部分の石は、価値が無いのでしょう。
ここだけは5m位の幾つもの大石で塞がっています。入って行きたかったですが、ハーケンが必要でしょう。


切通しは全て高さが25m位あります。


上から掘り進んだのでしょう。全て100m近い高さが続きます。


滅茶苦茶な逆階段掘り。


実際に見ると、下の方の石はきれい。上質な感じです。


逆階段状に掘って、更に下は穴状に掘り進んでいます。


100m近い石切り場が延々と続き、見事な物です。


天羽町の文字が掘ってあります。天羽町の業者だったのでしょう。


充分に楽しみながら、やがて一般登山道に着きます。
ここから稜線をロープウエイ終点駅まで戻るには、日本寺の管轄なので700円を払います。
というのは、鋸山裏登山道と呼ばれる階段の道があり、そこを降りたかったからです。

駅の展望台から愛車を。第2駐車場は私の車だけですね。車の所の右から入ったわけです。
3階建ての駅の1階から出て、痩せ尾根の道を進んで行くと、やがて石の階段となります。
地元の方のブログで知ったのですが、実は大学時代に冬に同級生に連れられて来て、16時でロープウエイが終わっていて駆け足で降りた事を思い出しました。
15分で降りましたね。


今は来る人もいないのでしょう。草と苔に覆われています。


立派な石の階段が下まで続きます。


東大の地質研究所の手前、電柱の所に出ます。直ぐに第2駐車場です。


車に戻って来ました。車の後ろの所から入りました。


この日のヤマップのログです。


 

2021年11月26日金曜日

東御殿山 杣口風穴 11月14日


 山梨市にある東御殿山へ登って来ました。バリルート、目的は山では無く110年前の蚕種貯蔵庫跡です。そう蚕の卵を保管した所です。蚕の卵は温度が上がると孵化しなくなるため、涼冷な場所での保存が必要でした。そのため標高1,400mの山の上に建てられたのでしょう。最重要国策産業とされた養蚕、何百もの風穴が建てられました。それも大正3年に愛知県の試験場で強制孵化方法が開発されると、あっという間に風穴は使用されなくなりました。蚕棚を背負って、山の上までの往復は歩くしかなかった昔は、さぞかしきつかったでしょう。

ある方のブログで知って、数か月ネットで検索しましたが情報は一切ありませんでした。山梨市観光課に問い合わせると2021年7月1日に返信が来ました。「東御殿山にある蚕種貯蔵庫跡についてですが、地域の詳しい者に確認をしたところ、県道219号線(クリスタルライン)の途中から「栃な代林道」という林道を通行することで到達できるという案内がありました。ただし、手入れがされておらず、道が険しいと共にうっそうとしていること、そして付近はクマの棲み処でもあることから危険であるという話がありましたので併せてお伝えいたします。以上の点も踏まえた上で登山・訪問についてご判断いただければと思います。よろしくお願いいたします。」


うーむ、山梨に熊の棲み処などあるのかと思いました。

伊藤翠先生に北海道の深山へ行く時に注文制作した対羆用の8インチ熊打ちは持っているので、月の輪熊ならどんぐりころころ(遊んであげれる)、対峙したなら(人を見たら逃げて行くでしょう)熊鍋もと、密かに期待したのですが、気配など全くありませんでした。

南部真鍮の3連熊鈴を家探しして漸く見つけました。分厚い真鍮が3個、共鳴しあってとても良い音色です。熊鈴など10数年振りです。写真でも少し磨いた後です。真鍮は湿気で錆びるので、長期保存はジップロックに入れて置くのが良いそうですね。


前泊してクリスタルライン(杣口林道)を「こ」の表示の所で、右に「栃な代林道」の標識があります。車を道路わきに置いて着替えて出発します。林道はコンクリ舗装で車高の高い車なら楽勝で終点まで行けます。


九十九折りに標高をどんどん上げて行きます。杉造林で陽が入らず、夏用手袋では手が冷たい。入ってしばらくすると段々の石垣が。昔は畑だったのでしょう。



30分も進むと十字路に。左に200m進むが行き止まりで茫洋とした25度位の斜面は取り付き様がありません(この時はそう思った)、戻って真っすぐを行きます。

300m進むとこちらも行き止まりです。杉造林では無く雑木林で斜面も緩く、ここから登り上げます。右方向へは大久保山ですが、右にかなり行ってしまうので真っ直ぐに稜線へ向かう事にします。しかし稜線手前支尾根は崖となり、木や根を掴んで登り上げます。落ちるともちろんアウトです、きつくて何度か休憩。
距離は10倍長いですが、大久保山経由で稜線を行った方が時間も体力的にも楽だったかも。直線で300m進むのに40分かかりました。

取り付いて直ぐに四角い石垣の人工物。古から人の入山はあったのでしょう。



稜線に着いて、東御殿山へ向かいます。見上げる急登です。1,400m位にピンクテープもあり、巻いて風穴へも行けそうでしたが、確実を期すため山頂へ向かいます。山頂から乾徳山。直径30mで平ら、草木も無く不自然な感じ。昔日神社でもあったのかと思わせます。

山頂から南側へ崖を下降します。まばらな木を掴みながら降ります、落ちるともちろんアウトです。一直線に境界表示の赤い杭とマーキングも続いています。林業労務者はロープ確保しているのでしょう。


標高1,420m位で崖は終わり、台地状となります。薄い石を積んだ物が。これは炭焼き釜跡でした。辺りを注意深く見ながら左へ降りて行きます。



炭焼き跡から100m位、蚕種貯蔵庫跡を発見。「あれだっ」、声が出ました。写真のとおり疎林で下草も無く見通しが良いので、あっさり発見できましたが、房総丘陵の様に草木がびっしりでは、難しかったと思います。

正方形で一辺が23m位で東西に一つずつ2個あり、石垣で連結されています。手前が西側、奥に東側が見えています。石垣の幅は6mあり温度を一定に保つためと思われます。昔はこの上に屋上屋があったのでしょう。



ヤマップの地図とGPS。青丸が現在地の杣口風穴です。下の折り返しが林道十字路を左に行って折り返した物、右のくの字が真っ直ぐ行った終点です。

東側下には階段があります。折返して更にあり、道型が下方に続きます。


中央連結部分から西側を。大木が使われなくなってからの年月を感じさせます。



東側部分から連結部分と西側部分。
ここは明るく真正面に甲府盆地と富士山が見えてロケーションもとても良い所です。しばし、おやつ休憩とします。


東側部分を見上げる

連結部分から西側通路



連結部分に降ります。上がれなくなるとヤバイので慎重を期しました。


この日の全てのヤナップのログです。下部の林道は帰りは全く同じ所を歩いているのに、最大50m位の誤差がありますね。ピンポイントで地点を探すのは注意が必要というか、まずいですね。GPS専用機に一日の長ありか。

戻りは南への道型を降ると、良く手入れされた見通しの良い杉造林の尾根となり、ジグを切って降ります。降りた所を左の雑木林の疎林を進みます。



すると、何と十字路左の林道終点へ降りたのです。帰りは楽勝でした。

解ってしまった私には再訪は楽勝なものですが、初めての方は東御殿山1,400mから巻くのが見つけやすいとは思います。

道や標識や目印は一切無いので、GPS地図や相応の経験は必要です。

楽しい1日でしたねー-。